ここ2回、肌断食をするにあたって参考になる本やサイトをご紹介してきました。


今回も引き続き、参考になる本をご紹介したいと思います。今日は、皮膚科医の池田大志さんが書かれた「10万円のクリームより効く「何もつけない」美肌ケア」です。
この本については、以前以下のページで簡単にご紹介しました。

平野卿子さんの本に宇津木龍一先生との対談が掲載されています。
その中で宇津木先生が、皮膚科の先生の中でも若い世代の方は、肌断食の考え方に賛同する方が増えているとおっしゃっていました。
この池田先生も、そういう若い皮膚科医のお一人であると思います。
ただ、池田先生はご自分が患者さんを治療する中で、「何もつけない」ケアがよいという考えを持たれるようになったということで、特に宇津木先生と関係があるわけではなさそうです。
宇津木先生や平野さんの著書でも、肌の構造や化粧品が肌に与える害などが説明されていましたが、池田先生は皮膚科医ということで、説明が詳しくて、わかりやすいと思いました。
「何もつけない」ケアがどうして肌に良いのかを詳しく知りたい方には、この本をお勧めします。
肌の様々なトラブルと原因、対処法

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また、脂漏性皮膚炎、ニキビ、とびひやアトピー性皮膚炎が発生する仕組みや原因、対処法を詳しく説明されているところは、皮膚科の先生ならではだと思いました。
それにしても、肌や皮膚のこと、肌や皮膚に生じるトラブルへの治療法や対処法って、とっくの昔に全部わかっているのではないかと漠然と思っていました。
でも、この本を読むと、最近判明した事実や確立した治療法もあると聞いて驚きました。
昔常識だと思われていたことが、今は採用されていないということも結構ありそうです。これは皮膚科に限ったことではないと思いますが。
例えば、アトピー性皮膚炎については、このような記述があります。
「最近になり、アトピー性皮膚炎の発症メカニズムが解明されつつあり、必ずしもアレルギー体質が遺伝して発症するわけではないことがわかりました。そして同時に、これまで不明とされていた原因も明らかになってきました」
この本が出版されたのは2015年です。長年アトピー性皮膚炎に悩んでいる人達はたくさんいるのに、発症メカニズムが解明されてきたのは最近のことなんですか?とびっくりです。
人間の体のメカニズムを知るのは、そんなに簡単ではないということでしょうか。
アトピー性皮膚炎の最近明らかになった原因というのは、「皮膚のバリア機能の低下」だそうです。
スキンケアに関することではよく聞く言葉ですよね。この「皮膚のバリア機能」を壊さないケアというのが、「何もつけない」ケアということだと思います。
つまり、肌断食です。
肌断食について調べていると、「脂漏性皮膚炎」という疾患の名前をよく目にすることと思います。
脂漏性皮膚炎は生後間もなくから生後3ヶ月までの赤ちゃんにみられることがある疾患です。池田先生は、赤ちゃんの脂漏性皮膚炎について、
「生後間もない赤ちゃんが自らを乾燥から守るために、皮脂を多く分泌した結果起きるものであり、特に病的な状態ではありません」
とおっしゃっています。ただ、見た目を良くするには、「適度に石けんを使って皮脂を洗い流すことで症状は改善します」とのことです。
脂漏性皮膚炎は赤ちゃんだけでなく、成人でも非常にありふれた皮膚トラブルだそうです。
「脂漏性皮膚炎を防ぐためには、過剰に分泌された皮脂を石けんで適宜減らし、過酸化脂質が肌に触れる機会を減らすのが望ましい」とのことですが、池田先生は「洗いすぎには要注意」ともおっしゃっています。
そして、その理由を「石けんで皮脂を落としすぎると、肌のバリア機能が低下し、少しの刺激でも肌トラブルを起こしてしまいます」と説明されています。
ニキビについても、思春期の頃にできるニキビは、「石けんを使って洗顔すると皮脂が減り、ニキビができにくくなる」とのことですが、やはり皮脂を落としすぎてはいけないそうです。
また、大人ニキビは乾燥肌が原因であることがあるので、石けんを使わず、ぬるま湯や水で洗顔し、ぬるま湯で落とせるファンデーションに変えると改善する例がとても多いとのことです。
皮膚の疾患については、自分で勝手に判断してケアをすると悪化する恐れもありますので、早めに皮膚科を受診することをお勧めします。
また、この本の最後には、池田先生が実際に治療を担当した患者さん4名の例が掲載されています。
症状はさまざまですが、どなたも肌のトラブルに悩み、池田先生の指導によって「何もつけない」ケアを実践されて、状態が大幅に改善しました。
皮膚科の先生が診断の結果、患者さんに適切な薬を出して、患者さんもその薬を使っていても、患者さんがいつもしているスキンケアのやり方が原因で、全然改善しないということがあるそうです。
そういう場合は、患者さんのスキンケアの方法を見直して、適切な方法を指導することが必要だとおっしゃっていました。
「何もつけない」ケアとは

ガーリー素材
肌にはもともとバリア機能が備わっており、角質細胞間脂質や天然保湿因子といった優秀な美肌成分も作られています。
化粧品によって、肌のバリア機能が壊されて、美肌成分もその優れた力を発揮することができなくなっています。
池田先生は、「何もつけない」ケアによって、肌のバリア機能を回復させて、美肌成分の働きを妨げないようにすることを推奨されています。
水やぬるま湯での洗顔、湯シャン、ワセリンの使用、ぬるま湯で落とせる化粧品の使用などは、宇津木先生が勧める方法と共通しています。
また、避けるべきこととして、「肌が濡れたままの状態でいること」、「界面活性剤に触れること」、「体温より高いものに触れること」、「肌をこすること」を挙げています。
この中で、「体温より高いものに触れること」については、私は割と無頓着なところがあったので、入浴や洗顔の時など、気をつけたいと思います。
「すべての化粧品を同時にやめる」ことも勧めていらっしゃいますが、これもご自分で選択してもよいのではないでしょうか。
理想は同時にやめることかもしれませんが、それが難しい場合もあるだろうからです。
私は肌のトラブルがひどかったので、同時にやめることにはためらいはありませんでしたし、何かをまたつけ始めることもありませんでした。
人それぞれ、事情がありますし、自分でやりやすいやり方を採用すればいいと思います。
入浴時に熱いお湯につかるのも、肌トラブルがある方は避けたほうがよいようです。
シャワーやかけ湯ですませることを強く勧められています。ただ、皮膚のトラブルがない方は、熱いお湯につかってリラックスすることを楽しんでもよいとのことです。
平野さんの本を読んだ時も感じましたが、化粧品の効果に関する刷り込みって本当に強いですね。
広告などで、「肌の内部まで浸透」というキャッチフレーズをよく耳にすることと思いますが、この本には、肌の内部まで浸透してはかえって害になることが記されています。
肌断食を約1年続けてきて、トラブルの多かった私の肌も、ふっくらとした感じになってきました。
化粧品や洗顔料、クレンジングなどで一生懸命ケアした結果、このふっくらとした感じもなくなっていたのだと思うと、とても複雑です。
きれいになりたいと思ってやってきたことですから。世の女性達、皆そうですよね。
私はこれからも肌断食を続けて、効果を見極めていきたいと思います。
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肌断食を始めるにあたって、私が主に参考にした宇津木先生の本の感想はこちら↓
